カスタマージャーニーマップ 作り方完全ガイド【2026年最新】

カスタマージャーニーマップ 作り方について調べている方は、「顧客がどこで迷っているのかわからない」「広告、SNS、Webサイト、営業、購入後フォローがバラバラになっている」「顧客視点でマーケティング施策を整理したい」と悩んでいるのではないでしょうか。

結論から言えば、カスタマージャーニーマップは、顧客が商品やサービスを知り、比較し、購入し、継続・紹介に至るまでの行動、接点、感情、課題を可視化するための設計図です。単なる図解ではなく、広告、SEO、SNS、LP、メール、営業、顧客対応をつなぐための戦略ツールとして使います。

この記事では、カスタマージャーニーとは何か、作成前の準備、顧客行動の整理、接点と感情の可視化、課題の発見、施策への落とし込み、更新方法まで、実務で使える形に整理します。マーケティング戦略全体の考え方を確認したい場合は、先に マーケティング戦略完全ガイド もあわせて確認してください。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスと出会い、興味を持ち、比較検討し、購入・申し込みを行い、その後に継続利用や紹介へ進むまでの一連の流れを指します。顧客の行動だけでなく、その時々の感情、不安、疑問、期待、接点も含めて整理するのが特徴です。

たとえば、ある顧客がInstagram投稿で商品を知り、Google検索で比較記事を読み、LPで料金を確認し、口コミを見て、LINE登録後に相談予約する場合、複数の接点が購入前に発生しています。カスタマージャーニーマップは、この流れを可視化し、どこで離脱し、どこで不安が生まれ、どの施策を改善すべきかを見つけるために使います。

カスタマージャーニーマップは、顧客の行動をきれいに並べるための資料ではありません。顧客の迷い、不安、期待を見つけ、マーケティング施策を改善するための実務ツールです。

要素 内容
フェーズ 顧客の検討段階 認知、興味、比較、購入、継続
行動 顧客が実際に取る行動 検索する、投稿を見る、資料請求する、問い合わせる
接点 顧客がブランドと触れる場所 SNS、広告、Webサイト、メール、店舗、営業担当
感情 顧客の心理状態 期待、不安、迷い、納得、不満、安心
課題 行動を妨げている要因 料金がわかりにくい、比較材料がない、予約導線が弱い

カスタマージャーニーマップを作ると、部門ごとの施策を顧客視点でつなげやすくなります。広告担当、SNS担当、SEO担当、営業担当、カスタマーサポート担当が同じ顧客像を共有できるため、施策の優先順位も決めやすくなります。

作成前の準備

カスタマージャーニーマップを作る前に、目的、対象顧客、商品・サービス、対象範囲、使うデータを整理します。準備が曖昧なまま作り始めると、見た目は整っていても施策に使えないマップになりやすくなります。

まず決めるべきなのは、「何のために作るのか」です。新規顧客獲得を増やしたいのか、資料請求後の商談化率を上げたいのか、購入後のリピート率を高めたいのかによって、見るべきフェーズや接点が変わります。

作成前に決める項目

準備項目 決める内容
目的 何を改善したいか 問い合わせ率、予約率、リピート率、商談化率
対象顧客 誰の journey を描くか 初回購入者、BtoB見込み客、休眠顧客、採用候補者
対象範囲 どこからどこまでを見るか 認知から問い合わせまで、購入後30日までなど
利用データ 根拠として使う情報 アクセス解析、商談議事録、アンケート、問い合わせ履歴
関係者 誰と作るか マーケ、営業、CS、店舗スタッフ、経営者

準備に使えるデータ

  • Google Analyticsなどのアクセス解析
  • Search Consoleの検索クエリ
  • SNSの保存・クリック・コメント
  • 広告のクリック率・CVR・CPA
  • 問い合わせフォームの内容
  • 商談議事録・営業メモ
  • 顧客アンケート
  • レビュー・口コミ
  • カスタマーサポートへの質問
  • 購入履歴・リピート率・解約理由

カスタマージャーニーマップは、担当者の想像だけで作らないことが重要です。アクセス解析、問い合わせ、商談、口コミ、アンケートなど、実際の顧客データをもとに作りましょう。

作成前の準備では、ペルソナを細かく作り込みすぎるより、実際に売上や問い合わせに関わる顧客群を選ぶことが重要です。理想の顧客像ではなく、実際に接点を持っている顧客の行動から始めると、施策に落とし込みやすくなります。

顧客行動の整理

次に、顧客行動をフェーズごとに整理します。一般的には、認知、興味、比較検討、購入・申し込み、利用、継続・紹介という流れで考えます。ただし、業種によってフェーズは変わります。BtoBなら稟議や商談、店舗ビジネスなら来店予約、ECならカート投入や再購入も重要です。

顧客行動を整理する際は、「企業が顧客にしてほしい行動」ではなく、「顧客が実際に取っている行動」を書き出します。企業側が「LPを読んで問い合わせてほしい」と思っていても、顧客はSNS、口コミ、比較サイト、知人紹介、YouTubeなどを経由しているかもしれません。

基本フェーズと顧客行動

フェーズ 顧客行動 確認するデータ
認知 SNS投稿を見る、広告に触れる、検索する、紹介される 広告表示、SNSリーチ、検索表示回数、紹介元
興味 Webサイトを見る、投稿を保存する、料金を見る PV、滞在時間、保存数、クリック率
比較検討 他社と比較する、口コミを見る、FAQを読む 比較ページ閲覧、口コミ、問い合わせ前の質問
購入・申し込み 問い合わせる、予約する、資料請求する、購入する CVR、フォーム完了率、予約率、購入率
継続・紹介 再購入する、レビューを書く、紹介する、解約する リピート率、レビュー数、紹介数、解約理由

顧客行動整理のポイント

  1. フェーズを5〜7段階に分ける
  2. 各フェーズで顧客が取る行動を書く
  3. 行動の根拠になるデータを確認する
  4. 顧客が使う言葉を記録する
  5. 離脱しやすい行動を特定する
  6. 行動後に期待する次のアクションを書く

顧客行動の整理では、理想ルートと実際ルートを分けると課題が見つかりやすくなります。理想では「広告からLPへ進み、問い合わせる」と考えていても、実際には「広告を見る、Instagramを見る、口コミを検索する、料金ページで迷う、数日後に再訪して問い合わせる」という複雑な行動を取っている場合があります。

接点と感情の可視化

カスタマージャーニーマップの価値は、行動だけでなく、接点と感情を可視化できる点にあります。同じ「料金ページを見る」という行動でも、顧客が安心しているのか、不安になっているのか、他社と比較して迷っているのかで、必要な施策は変わります。

接点とは、顧客が企業やブランドと触れる場所です。SNS、広告、検索結果、Webサイト、LP、メール、LINE、店舗、電話、営業担当、口コミ、レビュー、資料などが接点になります。感情は、期待、不安、疑問、迷い、納得、満足、不満などで表現します。

接点と感情の整理表

フェーズ 主な接点 顧客感情 よくある不安
認知 SNS、広告、検索結果、紹介 気になる、少し興味がある 自分に関係あるのか
興味 Webサイト、記事、プロフィール、投稿 もっと知りたい、少し期待する 信頼できるのか
比較検討 料金ページ、口コミ、事例、FAQ 迷う、不安、比較したい 価格に見合うのか、失敗しないか
購入・申し込み フォーム、LINE、電話、予約ページ 決めたいが少し不安 入力後に何が起きるのか
継続・紹介 メール、LINE、アフターフォロー、レビュー依頼 満足、安心、また使いたい 次に何をすればよいか

感情を可視化する方法

  • 問い合わせ内容から不安を抽出する
  • 商談議事録から反論を拾う
  • 口コミから期待と不満を整理する
  • フォーム離脱が多い箇所を確認する
  • 営業担当・店舗スタッフに顧客の迷いを聞く
  • アンケートで購入前後の不安を聞く

感情の可視化では、「顧客は不安そうだった」という印象だけで終わらせず、その不安がどの接点で生まれ、どの情報があれば解消できるのかまで整理しましょう。

課題の発見

カスタマージャーニーマップを作る目的は、課題を発見することです。顧客行動、接点、感情を並べると、どの段階で顧客が迷い、離脱し、問い合わせをためらっているかが見えてきます。

課題は、「広告のクリック率が低い」「LPのCVRが低い」といった数値だけではなく、「比較材料がない」「料金がわかりにくい」「問い合わせ後の流れが不明」「購入後の使い方がわからない」など、顧客体験上の障害として整理します。

フェーズ別の課題例

フェーズ よくある課題 確認する指標
認知 そもそも見つけられていない、訴求が弱い 表示回数、リーチ、CTR、検索順位
興味 価値が伝わらない、専門性が見えない 滞在時間、スクロール率、保存数
比較検討 料金、事例、他社比較、FAQが不足している 料金ページ閲覧、FAQ閲覧、問い合わせ前質問
購入・申し込み フォームが長い、次の流れが不明、CTAが弱い フォーム到達率、完了率、予約率
継続・紹介 購入後フォローが弱い、レビュー依頼がない リピート率、解約率、レビュー数、紹介数

課題発見の質問

  • 顧客は最初にどこで商品を知っているか
  • 興味を持った後、どこで情報不足を感じているか
  • 問い合わせ前に何を不安に思っているか
  • 競合と比較するとき、何を見ているか
  • フォームや予約ページで離脱していないか
  • 購入後に次の行動が案内されているか
  • 顧客が紹介したくなる接点はあるか

課題は、すべてを同時に改善しようとしないことが重要です。顧客数や売上への影響が大きい箇所、改善しやすい箇所、短期間で検証できる箇所から優先順位をつけましょう。

施策への落とし込み

カスタマージャーニーマップは、施策に落とし込んで初めて価値があります。マップを作っただけで満足すると、実際の成果にはつながりません。各フェーズで見つかった課題を、SEO、SNS、広告、LP、メール、LINE、営業、CSの施策へ変換しましょう。

フェーズ別の施策例

フェーズ 課題 施策
認知 ターゲットに見つけられていない SEO記事、SNS投稿、広告、紹介施策を強化する
興味 価値が伝わりにくい LPファーストビュー、プロフィール、事例を改善する
比較検討 不安や反論が残っている FAQ、比較表、料金説明、導入事例を追加する
購入・申し込み 問い合わせ導線が弱い CTA文言、フォーム項目、予約導線を見直す
継続・紹介 購入後フォローがない ステップメール、LINE配信、レビュー依頼、紹介制度を作る

施策化の手順

  1. フェーズごとの課題を一覧にする
  2. 売上・CVへの影響度を評価する
  3. 改善しやすさを評価する
  4. 優先順位を決める
  5. 担当部署と期限を決める
  6. KPIを設定する
  7. 実施後に数値と顧客の反応を確認する

施策への落とし込みでは、「どのフェーズの、どの感情を、どの接点で改善するか」まで具体化しましょう。抽象的な改善案ではなく、担当者・期限・KPIまで決めることが重要です。

たとえば、比較検討フェーズで「料金がわかりにくい」という課題が見つかった場合、施策は料金ページの改善だけではありません。広告文、SNS投稿、FAQ、営業資料、メール配信にも料金に関する不安解消コンテンツを配置できます。このように、1つの課題を複数接点に展開することが、カスタマージャーニーマップ活用のポイントです。

更新方法

カスタマージャーニーマップは、一度作って終わりではありません。顧客行動、検索行動、SNSの使い方、広告媒体、競合状況、商品内容は変化します。そのため、定期的に見直し、実データに基づいて更新することが重要です。

更新タイミング

タイミング 更新理由 確認内容
四半期ごと 施策結果を反映するため CVR、問い合わせ内容、広告成果、SNS反応
新商品・新サービス開始時 顧客行動が変わるため 対象顧客、訴求、接点、購入導線
広告成果が大きく変化した時 流入の質や訴求が変化した可能性があるため 広告文、LP、検索意図、競合状況
問い合わせ内容が変わった時 顧客の不安や比較軸が変わっているため FAQ、営業メモ、商談議事録、口コミ

更新時に見るべき指標

  • 検索クエリの変化
  • SNS投稿の保存数・クリック数
  • 広告のCTR・CVR・CPA
  • LPのスクロール率・フォーム到達率
  • 問い合わせ内容の変化
  • 商談化率・成約率
  • リピート率・解約率
  • レビュー・口コミの内容

更新フロー

  1. 前回作成したマップを確認する
  2. 最新データを集める
  3. 顧客行動の変化を確認する
  4. 感情・不安・反論の変化を整理する
  5. 新しい課題を追加する
  6. 改善済みの課題を削除または更新する
  7. 次の施策とKPIを決める

更新を続けることで、カスタマージャーニーマップは単なる資料ではなく、マーケティング戦略の管理表になります。毎月の数値会議や四半期の戦略見直しで使うと、施策の判断が顧客視点に戻りやすくなります。

よくある質問

カスタマージャーニーマップは誰が作るべきですか?

マーケティング担当者だけで作るのではなく、営業、カスタマーサポート、店舗スタッフ、商品担当、経営者など、顧客接点を持つ人を巻き込むのがおすすめです。部門ごとに見えている顧客の悩みや反論が異なるため、複数視点で作るほど実務に使いやすくなります。

カスタマージャーニーマップ作成に必要なデータは何ですか?

アクセス解析、検索クエリ、SNS反応、広告データ、問い合わせ内容、商談議事録、口コミ、レビュー、アンケート、購入履歴などが役立ちます。最初からすべて揃える必要はありませんが、担当者の想像だけで作らず、実際の顧客行動を確認することが重要です。

カスタマージャーニーマップはどのくらいの頻度で更新すべきですか?

最低でも四半期に一度は見直すのがおすすめです。新商品を出した時、広告成果が大きく変わった時、問い合わせ内容が変わった時、競合環境が変化した時にも更新しましょう。作成後に放置せず、施策結果と顧客の反応を反映することで、実務で使える資料になります。

まとめ

カスタマージャーニーマップ 作り方の基本は、顧客が商品やサービスを知り、興味を持ち、比較し、購入し、継続・紹介に至るまでの行動、接点、感情、課題を可視化することです。単なる図解ではなく、マーケティング施策を顧客視点で改善するための戦略ツールとして活用します。

実務では、まず目的、対象顧客、対象範囲、利用データを決めます。次に、認知、興味、比較検討、購入・申し込み、継続・紹介などのフェーズに分け、顧客行動、接点、感情、不安を整理します。そのうえで、離脱や迷いが起きている箇所を課題として抽出します。

課題が見つかったら、SEO、SNS、広告、LP、メール、LINE、営業、CSの施策へ落とし込みます。重要なのは、作って終わりにせず、四半期ごとに最新データをもとに更新することです。マーケティング戦略全体の考え方は、マーケティング戦略完全ガイド を起点に、カスタマージャーニー、ペルソナ設計、競合分析、ポジショニング、施策設計まで体系的に整えていきましょう。

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執筆: IBMA編集部

国際ビジネスマーケティング協会(IBMA)編集部。機関紙「IBMA Journal」の発行、マーケティング実務者向けの教育・民間資格認定を行っています。

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