STP分析 やり方完全ガイド【2026年最新】

STP分析 やり方完全ガイド【2026年最新】

誰に選ばれ、どの立ち位置で勝つかを決めるマーケティング戦略の基本

STP分析 やり方を理解すると、マーケティング施策の前に「誰を狙うのか」「どの市場で戦うのか」「競合と比べてどの立ち位置で選ばれるのか」を整理できます。広告、SEO、SNS、LP、営業資料を作る前にSTPを整理しておくと、発信内容や商品設計がぶれにくくなります。

STP分析とは、Segmentation(市場を分ける)、Targeting(狙う市場を決める)、Positioning(選ばれる立ち位置を決める)の3段階でマーケティング戦略を整理するフレームワークです。中小企業や個人事業主にとっても、価格競争を避け、自社の強みが伝わる顧客層に集中するために有効です。

この記事では、STP分析の基本、セグメンテーションの切り口一覧、ターゲティング6R、ポジショニングマップの作り方、中小企業の実践例、よくある失敗、FAQまでを実務目線で解説します。マーケティング戦略全体の流れから確認したい方は、マーケティング戦略完全ガイドもあわせて確認してください。

1. STP分析とは?マーケティング戦略での役割

STP分析とは、市場を細かく分け、その中から狙う顧客層を選び、競合と違う立ち位置を決めるためのフレームワークです。商品や広告を作る前にSTPを整理すると、「誰に向けているのかわからない」「競合と同じことを言っている」「安さ以外の選ばれる理由がない」という状態を避けやすくなります。

たとえば、同じパーソナルジムでも、20代男性の筋力アップ向け、40代女性の健康維持向け、産後女性向け、シニア向け、競技者向けでは、訴求、価格、写真、トレーナーの見せ方、SNS投稿、LPの内容が変わります。STP分析は、この違いを感覚ではなく、戦略として整理する作業です。

重要ポイント:STP分析は、施策を増やすためではなく、狙う顧客と選ばれる理由を絞るための道具です。中小企業ほど、広く狙うよりも勝てる市場に集中することが重要です。

STPの3要素

要素 意味 実務で決めること
Segmentation 市場を意味のある単位に分ける 年齢、地域、悩み、購買動機、利用シーンなどで分類する
Targeting 狙う顧客層を選ぶ 売上性、到達性、競合状況、自社の強みを見て優先順位を決める
Positioning 競合と違う立ち位置を決める 顧客の頭の中で「何に強い存在」と覚えられるかを決める

2. セグメンテーションの切り口一覧表

セグメンテーションとは、市場を意味のあるまとまりに分けることです。単に年齢や性別で分けるだけでは不十分です。実務では、地域、悩み、購買動機、予算、利用シーン、検討段階、価値観などを組み合わせて考えます。

中小企業の場合、セグメントを細かくしすぎると対象者が少なくなり、広げすぎると誰にも刺さらない訴求になります。最初は、顧客の悩み・地域・予算・利用目的を軸に分けると実務に落とし込みやすくなります。

セグメンテーションの主な切り口

切り口 分類例 活用例
人口統計 年齢、性別、職業、家族構成、所得 30代女性向け、経営者向け、子育て世代向け
地理情報 地域、駅、商圏、都市部、郊外 横浜駅周辺、相鉄線沿線、店舗から半径3km
心理・価値観 安心重視、価格重視、専門性重視、時短重視 初心者でも安心、高品質重視、忙しい人向け
行動特性 検索行動、購買頻度、来店頻度、SNS利用 Instagramで情報収集する層、Google検索で比較する層
悩み・課題 集客できない、続かない、時間がない、比較できない SEO初心者向け、運動が苦手な人向け、採用に困る企業向け
検討段階 認知、情報収集、比較、購入直前、リピート 初心者ガイド、比較記事、料金ページ、FAQ、会員向け配信

分類のコツ:セグメンテーションは、机上の分類で終わらせないことが大切です。分類した後に、広告文、LP、SNS投稿、商品設計が変わるかを確認しましょう。

3. ターゲティング6Rで狙う市場を選ぶ

ターゲティングとは、分けた市場の中から、自社が優先して狙う顧客層を決めることです。ここで重要なのが6Rです。6Rとは、Realistic Scale、Rate of Growth、Rank、Reach、Rival、Responseの6つの観点でターゲット市場を評価する考え方です。

ターゲティング6R一覧

6R 意味 確認質問
Realistic Scale 市場規模が現実的に十分か 対象者は少なすぎないか。売上目標に届く規模か
Rate of Growth 成長性があるか 今後も需要が伸びるか。縮小市場ではないか
Rank 自社にとって優先順位が高いか 利益率、戦略性、ブランドとの相性は高いか
Reach 到達しやすいか SEO、SNS、広告、紹介で接触できるか
Rival 競合状況はどうか 大手が強すぎないか。差別化できる余地はあるか
Response 反応を得やすいか 訴求に反応し、問い合わせや購入につながるか

6Rを使った評価例

たとえば、店舗向けのマーケティング支援を行う企業が「飲食店」「美容室」「パーソナルジム」「士業」を候補にした場合、それぞれの市場規模、到達手段、競合状況、反応しやすさを比較します。市場規模が大きくても、競合が強すぎたり、自社実績と合わなかったりする場合は、優先度を下げる判断もあります。

中小企業では、「大きな市場」よりも「勝てる市場」を優先することが重要です。小さくても、自社の強みが伝わりやすく、実績を作りやすく、紹介が生まれやすいセグメントを選ぶ方が成果につながる場合があります。

4. ポジショニングマップの作り方

ポジショニングとは、競合と比べて自社がどの立ち位置で選ばれるかを決めることです。ポジショニングマップは、顧客が比較する軸を2つ設定し、競合と自社の位置を視覚的に整理する方法です。

ポジショニングマップ作成5ステップ

  1. 顧客の比較軸を洗い出す:価格、専門性、早さ、安心感、地域密着、初心者向けなどを出す。
  2. 競合を3〜5社選ぶ:検索上位、近隣店舗、SNSで比較される相手を選ぶ。
  3. 2つの軸を決める:顧客が意思決定で重視する軸を選ぶ。
  4. 競合と自社を配置する:感覚ではなく、料金、口コミ、訴求、実績で判断する。
  5. 空白地帯と勝ち筋を探す:顧客需要があり、自社が提供できる立ち位置を見つける。

よく使う軸の例

軸1 軸2 向いている業種
価格が低い / 高い サポートが少ない / 手厚い スクール、ジム、コンサル、制作サービス
初心者向け / 上級者向け 汎用型 / 専門特化型 教育、BtoB支援、フィットネス、士業
短期成果 / 長期伴走 低価格 / 高品質 マーケティング支援、広告運用、Web制作
地域密着 / 全国対応 対面型 / オンライン型 店舗、教室、士業、相談業

マップ作成の注意:ポジショニングマップは、自社に都合よく作るものではありません。顧客が実際に比較している軸で作ることが重要です。

5. 中小企業のSTP実践例

以下は、特定企業の実在事例ではなく、業種を一般化した仮想例です。実務でSTP分析を行う際の考え方を理解するためのサンプルとしてご覧ください。

仮想例1:地域密着型パーソナルジム

STP 内容
Segmentation 20代ボディメイク層、40代女性の健康維持層、シニア層、産後層に分類
Targeting 運動経験が少なく、きついジムに不安がある40代女性を優先
Positioning 短期ダイエットではなく、初心者が安心して続けられる地域密着ジム

仮想例2:小規模事業者向けWeb制作会社

STP 内容
Segmentation 飲食店、美容室、士業、ジム、スクールなどの店舗・サービス業に分類
Targeting ホームページはあるが問い合わせにつながらない小規模事業者を優先
Positioning デザインだけでなく、SEO・MEO・LINE導線まで設計するWeb制作

仮想例3:専門家向けオンライン講座

STP 内容
Segmentation 独立前の会社員、独立直後の専門家、既に顧客がいる専門家に分類
Targeting 専門知識はあるが、Web集客や発信に苦手意識がある独立直後の専門家を優先
Positioning 難しいマーケティング用語を、実務導線に落とし込む初心者向け講座

6. STP分析でよくある失敗

STP分析は便利なフレームワークですが、表を埋めただけでは成果につながりません。実務では、セグメントが広すぎる、ターゲットが願望だけで決まっている、ポジショニングが競合と同じ、施策に落ちていない、という失敗が起きやすくなります。

失敗 問題 改善策
セグメントが広すぎる 誰向けかわからない発信になる 悩み、地域、目的、予算で絞る
ターゲットを理想だけで決める 実際に到達できず、売上につながらない 6Rで市場規模、到達性、競合状況を見る
競合と同じポジション 価格や知名度で比較されやすい 顧客の比較軸を変え、自社の強みが伝わる位置を探す
施策に落ちていない 分析資料で終わり、広告やLPが変わらない タイトル、LP、SNS、広告文、商品設計へ反映する

STP分析チェックリスト

  • 市場を年齢・性別だけでなく、悩み・目的・行動で分けたか
  • ターゲットを6Rで評価したか
  • 競合が誰かを具体的に確認したか
  • 顧客が比較する軸でポジショニングマップを作ったか
  • 自社が本当に提供できる価値と一致しているか
  • 広告文、LP、SNS投稿、サービス設計に反映したか
  • 実際の問い合わせ・成約データで見直す予定があるか

7. よくある質問

STP分析は中小企業にも必要ですか?

はい、必要です。中小企業は広告予算や人員が限られるため、広く狙うよりも、勝てる顧客層に集中する必要があります。STP分析を行うと、誰に向けて発信すべきか、どの強みを前面に出すべきか、競合とどのように違いを出すべきかが整理できます。

STP分析はどの順番で進めればよいですか?

基本は、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの順番です。まず市場を分け、次に6Rで狙う顧客層を選び、最後に競合と比べた立ち位置を決めます。いきなりポジショニングから考えると、顧客の実態や市場規模とズレる可能性があります。

ポジショニングマップの軸はどう選べばよいですか?

顧客が実際に比較している軸を選びます。たとえば、価格、専門性、安心感、サポートの手厚さ、初心者向けか上級者向けか、対面かオンラインかなどです。自社が有利に見える軸ではなく、顧客が意思決定で重視している軸を選ぶことが重要です。

8. まとめ

STP分析とは、Segmentation、Targeting、Positioningの3段階で、誰に選ばれ、どの市場で、どの立ち位置で勝つかを決めるマーケティング戦略の基本フレームワークです。商品設計、広告、SEO、SNS、LP、営業資料の前にSTPを整理することで、施策のぶれを防げます。

セグメンテーションでは、年齢・性別だけでなく、地域、価値観、行動、悩み、検討段階で市場を分けます。ターゲティングでは、6Rを使って市場規模、成長性、優先順位、到達性、競合状況、反応の得やすさを評価します。ポジショニングでは、顧客が比較する軸でマップを作り、自社が勝てる立ち位置を探します。

STP分析は、資料作成で終わらせず、広告文、LP、SNS投稿、商品設計、価格、接客、営業資料に反映して初めて意味があります。中小企業ほど、広く狙うのではなく、勝てる顧客層に絞り、選ばれる理由を明確にしましょう。

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執筆: IBMA編集部

国際ビジネスマーケティング協会(IBMA)編集部。機関紙「IBMA Journal」の発行、マーケティング実務者向けの教育・民間資格認定を行っています。

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